kawamiのブログ

息子とサイクリング時々娘と投げ釣り

姫様の誕生②

 大阪から金沢までは車で行っていました。
金曜日の仕事が終わり、自宅に帰りつく19時ごろに車に乗り込み「松原~京都東」迄高速に乗り、直ぐに国道161号線に合流して滋賀県北部で国道8号線に流入して、福井県入り。


月に1回は兄の住んでいる官舎により仮眠(合鍵は持っていた)。
その頃、兄とは福井では金沢に行くたびに夫婦であいさつに寄っていました。
兄も、大阪で学会があるたびに、実家に行くのではなく、私の家に来たりしていました。


 投げ釣りにはまっていたので、車に釣り道具一式を積み込み、福井県の波松海岸から北上しながら竿を出して、大体100匹ほどクーラーに収めて義実家で7割方降ろす。
また、帰りながらキスを釣り、50匹くらい追加して実家に降ろすようにしていました。
その頃は、私の祖母が元気なころ(当時92歳)で、キスの刺身・てんぷら(調理は母)など喜んで食べてくれていました。
みぃーは・・・・刺身と焼き物で、丸ごとは絶対食べない猫でした。



家の改装(リビング・玄関・洗面室の床とパティエーション変更、天井と壁)が1カ月くらいで終わり、6月ごろからは北陸地方でもキスが大量に釣れるようになったので毎週、顔を出していました。


 忘れもしない、7月7日の土曜日。
午前中に妻の検診があるので、お昼ごはん時を狙い(もちろん、朝から釣り)顔を出しました。
義実家でお昼ご飯を頂いているときに妻から「先生が、大事な話があるから明日、旦那さんと一緒に来て欲しい」と報告。
理由を聞くと、「最近、徐々に羊水の量が減ってきている」、さらには、「心音は聞こえるけれど子供の推定体重が増えていない」から。
母体の中で何が起こっているのかわからないので、自然分娩の予定だったけれど、帝王切開に切り替えた方が良い。
その詳しい話がしたいとのこと。


翌8日の午前中に聖霊病院へ。
医師から、妊娠中毒などとの関係はわからないが、赤ちゃんの周りではこういう事が起きています。
病院としては自然分娩を押していますが、病院の指針を押し付けると赤ちゃんがもたない可能性がある。
陣痛促進剤はどんな影響があるかわからないし、病院も使いたくない。
なので、病院側としたら帝王切開を・・・・・と考えている。
夫婦でよく相談して、早い段階で教えて欲しい。


 え?う~ん、うん。
医師が話し終わった瞬間に、「じゃあ、帝王切開でお願いします」と即答しました。
聖霊病院はキリスト系の考えで、「基本的には自然分娩!」らしいのですが、私たち夫婦は、「母子のどちらか選んでください」的な状況を作り出さないように、妻が妊娠してから直ぐに話し合って「何が何でも母子揃って退院する」ために取捨選択するべき事などを話し合っていました。
運良く、出産間際までは何もなかっただけでした。


医師の方が困惑したようで、「妊娠初期から夫婦で話し合っていること」を説明して、納得してもらいました。
医師の方は本当に即断することはないと考えていたのか、翌日は出産予定で手が離せないので翌々日の10日に予定日を設定してくれました。


義実家に行き、医師から説明されたことを説明して大阪に帰り火曜日に再び来ようと言ったら・・・・・義父に煙草に呼び出された。
「言いたいことはわかるよな」
「火曜日まで止まりなさい」
「・・・・・・・はい」


義父は怒ったりする方ではないのですが、圧力に負けました(笑
急ぎの案件もなかったので、上役に3日間の仕事と予定を全振りしました。
クライアントには「本当のこと」を言って許しを貰いました。
多少盛ったけれどね~。
火曜日には接待(される方)が1件入っていたので上役は喜ぶだろう。


その日の晩(21時ごろ)、妻は自分の部屋のベッド、私は床(来客用布団)で寝ようとしていた時に妻から「おなかが痛いかも」との申告。
多分、陣痛だろうと思ったけれど「気のせいかもしれないから寝な」・・・・・初産は長丁場になるから、寝られるなら寝なの意。
と言って後にたわいのない会話をして40分後くらいには私は夢の中。


翌朝の5時、寝られなかった妻・・・・・熟睡して起きた私(笑
聞くと、間隔が長い。
破水もない。


朝食を食べて、病院に電話し、破水したら行こうという事を確認しました。
朝食(7時)に義両親に陣痛が来たこと、破水したら病院に行くことを伝えて・・・・・・。
病院に電話したら、直ぐに来いとの指示。
どうやら、本当に羊水が少ないらしく破水後では危険なよう。


義父はお仕事で、私と妻と義母で病院へ。
当時の義実家からは10分ほどで病院に到着。
直ぐに陣痛室?に入り子供の心音と状態を確認。
なぜか心音を取ることが出来ずに少し焦る看護師。
よく見たら、その看護師さんもお腹が大きい(妊婦)。


10時過ぎに無事に破水。
が、量が極端に少ない。
みんなして、破水だよね?破水だよね??と確認する・・・・ほど少なかった。


そこからは、時間の経過とともに陣痛の感覚が短くなる。
けれども、子宮口が開かないらしい・・・・・。
子宮口が開かないと胎児は出ることが出来ない。
結局、出産間際まで7cmくらいしか開かなかったら「物理的」に広げた・・・・よう。


出産の話に行くまでに、絶対記録に残しておきたいこと。
妻が私に、
妻「ちょっと、うんこが出たかもしれないから見て」
私「外から見ても出ていないよ、臭わないから」
妻「直接見んとわからんやろ!」
私「直接?中を??」
妻「早くして!」
義母に確認したら、「やるしかな」と言われたので仕方なしに着ているものをめくり確認を・・・・・・
妻「ちょっと何してんの!人が痛がっているのに!!」
私「え??お前が・・・・」
妻「ふざけんなよ!人が痛がってるのに変な事をしようとするな!!」
叫んでいましたよ・・・・・。
義母と看護師・・・・そして私はびっくり(笑


義母には同情されて「ここは私が見ているから休憩しておいで」と言われ。
看護師に「よくあることですよ」と同情された。


 休憩と言っても、何もすることがなく。
病院が片町・香林坊の裏手にあるので適当な服屋に入り寝間着を購入して・・・・1時間ほどパチンコをしてた。
ちょっぴりショックだったのよ、自分が何か間違えたことをしたのかと本気で考えて、現実逃避のために・・・・。
3K勝った(笑


病室に戻ったのが16時。
この段階でも子宮口は開かず。
産婆さんが常に確認してくれていたけれど、ずーと同じ。
17時ごろには胎児の心音が弱くなってきたので、強制的に分娩室へ。


医師からの説明があり、本当に弱くなってきていること。
羊水が少ないことが原因か何か他に原因があるのか。
ともかく、破水してから時間がたつと問題が起こることがあるし、元からの状態が通常とは違うので・・・・物理的に子宮口を開けて出産を促します。


今迄も子宮口を物理的にこじっていたが、医師がまじめにするようで・・・・・・。
立ち会うかどうかを聞かれ、へその緒を切らせてくれる約束をし・・・・・。


17時20分、既に陣痛は生まれてもおかしくない間隔になり・・・・・・でも生まれない。
医師が切開をするところから・・・・頭の方からはビデオカメラでの固定撮影、足の方からは私が一眼レフ(コンデジ併用)を持ち記録係。
ええ、切開して掃除機で吸引分娩で赤ちゃんが出てくるところをしっかりと取りましたよ(笑


17時30分、赤の全身が出て、へその緒の半ばが出たときに赤の心音が弱くなった理由が判明。
へその緒がなぜか結ばれていた。
これにより、母体から赤への栄養等の補給が途絶えていたよう。
それを、医師と私が珍しいという事で写真を撮りまくる。
医師は疑問が納得したようで・・・・・へその緒を切る(あれ?私が切るのでは??)。
医師はすっかり忘れていたようで、後に謝罪がありました。


赤も胎盤もでて、直ぐに泣き始め、カンガルーケアのために1分間だけ妻のそばに置かれました(血まみれ赤)。
その後すぐに看護師により産湯につかり、体重測定。


妻の方は切開をしたので縫い始め・・・・・・
医「旦那さん、きつくしとくね~」
私「お願いします♪」
妻「・・・・・・・」
未だに妻は意味が解っていない。


分娩室の窓のカーテンを開けて外を見ると義父母が・・・・え?義父がいる??
そういえば、17時が定時で片町に会社があって・・・・・来てくれてありがとうございます。
産湯が終わって綺麗になった赤をガラス越しに見てもらいました。


20分ほどしたら、妻の処置も終えて入院病室へ。
個室でした。
ここからプチ地獄が始まるのですが・・・・。


自分の親には、夜遅くに電話で報告しました。



 今回は、生まれるまででした。
本当に出産では男の出番はありません。
妻曰く、出産のときの痛みは本当に痛いけれど、あなたの事故の時の痛みよりはましかもしれない。
とのこと。
私からしたら、体の外からの痛みは絶えることが出来るが、体の中からの痛みは耐えられる自信はありません。
女性は強い!

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